人事労務ニュース
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文書作成日:2016/06/21

減少する労働災害による死亡者数、死傷者数と労働局の対応

 厚生労働省では、第12次労働災害防止計画(以下、「本計画」という)に基づいて対策を進めていますが、その成果もあってか、近年、労災による事故は減少傾向にあります。本日は、厚生労働省が先日発表した平成27年の労働災害発生状況についてとり上げましょう。

1.死亡災害・死傷災害の発生状況
 この発表によれば、労働災害による死亡災害は972人と前年に比べ85人の減少となり、統計を取り始めて以来、初めて1,000人を下回る結果となりました。本計画は、平成29年までに労働災害による死亡者数を平成24年と比較して15%以上減少させるという目標を掲げており、図1のように本計画の災害減少目標の水準に達している状況です。

図1 死亡災害

 次に休業4日以上の死傷災害(以下、「死傷災害」という)は116,311人となっており、こちらも前年に比べ3,224人の減少となりました。これに関しても本計画において、平成29年までに死傷災害を平成24年と比較して15%以上減少させるという目標を掲げており、図2のように平成27年の結果が減少に転じたものの、目標の達成に向けた取組みが一層求められます。

図2 死傷災害

2.各業種の災害発生状況
 以下では、本計画で重点業種とされているものについて、災害発生状況をみておきましょう。

a)製造業
 製造業の死亡災害は160人と前年に比べ20人の減少となり、死傷災害は26,391人と前年に比べ1,061人の減少となりました。死亡災害、死傷災害ともに、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が最多で全体の約3割を占めていますが、いずれも減少しています。また、製造業ではリスクアセスメントの取組みが定着していますが、引続きこの取組みが求められます。

b)建設業
 建設業の死亡災害は327人と前年に比べ50人減少して過去最少となり、死傷災害についても15,584人と前年に比べ1,600人の減少となりました。死亡災害、死傷災害ともに、「墜落・転落」の大幅な減少が寄与しています。これは平成27年の改正労働安全衛生規則により、足場からの墜落防止措置の強化による取組みが要因の一つと考えられています。

c)陸上貨物運送事業
 陸上貨物運送事業の死亡災害は125人と前年に比べ7人の減少となり、死傷災害は13,885人と前年に比べ325人の減少となりました。死亡災害については、災害の多くを占める「交通事故(道路)」が減少した一方で、「崩壊・倒壊」が前年より増加しています。そして、死傷災害については、「墜落・転落」、「転倒」、「はさまれ・巻き込まれ」、「交通事故(道路)」は減少しましたが、「動作の反動・無理な動作」が増加しています。これらの事故については、主に荷役作業において発生していることから、荷役作業における安全対策を徹底することが求められます。

d)小売業
 小売業の死傷災害は13,030人と前年に比べ335人の減少となり、災害の多くを占める「転倒」や「交通事故(道路)」を中心に前年より減少していますが、高止まりとなっています。この「転倒」に関して、小売業は事業場における4S 活動(整理、整頓、清掃、清潔)や職場の危険の「見える化」等を進める「STOP!転倒災害プロジェクト」で重点業種となっており、さらに小売業の現場では65歳以上の雇用者が増加していることもあり、より一層転倒防止に向けた取組みが求められます。

e)社会福祉施設
 上記でとり上げた業種において死傷災害が前年に比べ減少している中で、社会福祉施設の死傷災害は、7,597人と前年より373人の増加となりました。このうち、「動作の反動・無理な動作」、「転倒」の災害をあわせたもので全体の約3分の2を占めています。この「動作の反動・無理な動作」については腰痛との関連が深いことから腰痛予防対策が求められ、「転倒」については労使で安全に対する意識を高めることが求められています。

f)飲食店
 飲食店の死傷災害についても、4,687人と前年より210人の増加となっており、「切れ・こすれ」、「高温・低温の物との接触」によるものが増加しています。これらは、調理中や物の運搬の際に発生していることから、職場における4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)、職場の危険の「見える化」等を進める「STOP!転倒災害プロジェクト」を推進するほか、作業に応じた保護具(耐熱手袋、エプロン、長靴等)の着用を徹底することが求められます。


 厚生労働省・都道府県労働局は、全国安全週間(7月1日から7日まで)とその準備月間(6月1日から30日まで)の期間において、各事業場に対して積極的な労働災害防止活動の実施の働きかけを行うこととなっています。そのため、事業主としては、今回の取りまとめの結果を参考にしながら、引続き対策が求められています。


■参考リンク
厚生労働省「平成27年の労働災害発生状況を公表」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 



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